薪ストーブのあたたかさ
先日ノルウェーのメーカーの方とお話しする機会がありました。聞けばノルウエーでは薪ストーブが新築時100%設置されているというのです。そんなことはないでしょうと聞き返しましたが、火を見る生活が冬の暮らしだから100%ですと言い切るのです。一方、日本では、多分1%に満たないくらいじゃないでしょうか。
「どの薪ストーブがいいですか?」
従来までは製品本体と設置を含めた費用面を気にされるお客様が多かったですが、最近はネットなどで下調べを済ませた上で、ある程度の情報をお持ちになっていらっしゃる方が増えています。価格面というよりは、自分たちにはどのような薪ストーブが合うのかを相談に来るという感じでしょうか。その際いつもお聞きしているのは、共働きなのか、子育ては終わっているのか、日中の家の状態は、時間的余裕はありますか、などです。つまりお客様の生活スタイル。それによってお客様に合ったご提案する機種が随分と変わります。それでも最終的に選ぶ決め手で多いのは「デザイン」。長く使う愛用品となりますから、機能ももちろん大事ですが「好み」で選ばれるようです。
薪ストーブのあたたかさって
薪ストーブをお持ちのお客様が揃って口にするのは「あたたかさが違う」と言っています。マンションやアパートのボイラーで炊くお風呂と天然温泉。どちらがあたたまるかといえば、やはり天然温泉のはず。「天然温泉のようなあたたまりかた」と説明しています。あたたかさの違い、あたたまり方の違いとでも言いましょうか。室温が25度26度と数値で示しても体感的には響かない場合も多いですよね。だから体の感じ方で説明するようにしています。
てまひまがかかるんです、薪ストーブって
最近は真剣に検討されている若い新築世代(子育てが終わっていない世代)のお客様が圧倒的に多くなり、暖房としての機能に加えて実用的な使い方も想定されています。ストーブの上で煮炊きをしたりなどですね。人気なのはピザそして焼き芋。お客様からはよく聞きます。格別の味です、と。(笑)
薪ストーブは、スイッチひとつというわけにはいきません。薪を運ぶ、焚べるなどの実務的な作業が伴います。そして正しい使い方も必要です。 たとえば不快な匂いがするという場合。空気を絞ることによって空気量が少なくなりますから、結果として燻りながら燃えることになります。そうすると煙が出やすくなり、不快な匂いが生じることになりやすい。乾燥させた薪を適切な空気量で焚かなければなりません。そのほか定期的な煙突のメンテナンスも快適に利用するためには必要なこと。ある種、そういった煩わしさも楽しみに変えている方が多いように見受けられます。たくさんのお客様を見てきましたが、みなさんとてもおおらかなのは、薪ストーブのある暮らしを楽しんでいるんじゃないでしょうか。
インタビュー協力
唐牛 宏さん
株式会社北海道リンクアップ 代表取締役
株式会社北海道リンクアップ
https://h-linkup.co.jp
「炎」に魅せられて1999年に創業。以来薪ストーブをより深く知って好きになってほしいという思いから、取扱上の注意点、使い方まできめ細かくお伝えしている。